そこのみにて光り輝く
「全ての終わり、愛のはじまり」とあるが
どうしようもなく救いのない重たすぎる映画。
それなのに、最後はとてつもなく美しい。
こんなにやるせない映画は初めてかも。
エンドロールを見ながらずっと固まっていた。
涙が出そうで出ない。出そうで出ない。
なんなんだこれは。恐ろしくも思う。
この役の綾野剛くんは最高にかっこいい。
綾野剛くんではなく、この役の男が。
私なら惚れる。完全に。
「どんな私でも最後まで私を離さない」と
信じられるからだ。普通なら逃げ出す。
そしてベットシーンで惜しげもなく
脱ぐ女優が好きだ。規制はあるだろうが
シーツで隠すとか冷める。萎える。
ここでも綾野剛くんは生々しく愛撫をする。
巻き戻して見たほどだ。
女性の監督だからなのか、役としての
彼自身なのか分からないけど、
この2人はどこまでもさらけ出す。
役を演じるのではなく役を「生ききっている」
「愛を捨てた男と愛を諦めた女」
最後、この2人を包む光に絶望的な愛を
見たのかも知れない。
愛するがゆえに守りたいものは、時に残酷だ。
その残酷さが、私の奥深くと共鳴する。
「お前との恋愛は生きるか死ぬかだな」
嬉しそうに笑いながら言われたことを
思い出す。でももう、生きるか死ぬかの
恋愛は、私は出来ない。むしろしたくない。
穏やかに、穏やかに生きたい。
例え深く愛したとしても。
この前見た「人のセックスを笑うな」も
とても好きだけど、又違う匂いで言うと
塚本晋也監督の「鉄男」や
園子温監督の「恋の罪」と同じくらい
忘れられない映画となった。
「そこのみにて光輝く」
タイトルも好きだ。