小さな手
「当時明るくて元気なのに、なぜか近寄り難いあなたを不思議に思っていて、
それが記憶に残ってる。とても不思議だった」
と、大人になってから言われた。
明るく「していた」のよね。家庭環境のせいで
お父さんに恥をかかせたくなくて。
父を守ろうとしていた。
幼い頃から集団では群れないし
属さないタイプではあったけれど。
大人になった今でも、人付き合いやグリグリに対して「抱きしめられる数を預かることが
出来るように」そんな気持ちがある。
この手から溢れ出すほどではなくて
ちゃんと掴んでいられるくらいのね。
手、小さいからね。
新しいもの、新しい出会い(人に限らず)を
広げることは大切だけれど、
今自分の中にあるもの、
手にしているものを見ずに「そこ」へ
行こうとすると、こぼれ落ちるものがあって。
もしもそんな時は思い切っきり手を伸ばして
拾いに行けばいいかな。
掴みきれなかったものが
そこにあるかも知れない。